金徳院の見学後もジャカルタ中華街・グロドックの中華寺院巡りは続きます。
金徳院の所で曲がり、Jalan Kemenangan 3を歩いて行きますと、道端に小さな祠が出てきました。
沖縄でもよく目にする石敢當(泰山石敢當)があります。中国・福建発祥の魔除けです。インドネシア華人は福建系が多いですからね。
祠には土地伯公婆、つまり土地公・大伯公・福徳正神などと呼ばれる土地の神様夫婦が祀られています。
次に出てきた廟らしき小屋には天醫帝?閉まっていたので中は見られなかったのですが、天醫=天医ですから、医学系の神様?
グーグル検索&翻訳を駆使して調べたところ、祀られているのは唐代の名医・孫思邈かな?
入口に小さな祠があり、DATO BUMIと書かれています。DATO(DATUK)は祖父・おじいさん、BUMIは土地という意味なので、土地の神様?
こちらの寺院もいかにも中国風ですが・・・
GEREJA KATOLIK SANTA MARIA FATIMA、サンタマリア ファティマ教会というカトリック系の教会でした。
更に先を進むと、通りから少し路地を入ったところにある法主公廟(FAT CU KUNG BIO)。
四面佛、ヒンドゥー教のブラフマー神です。なぜかタイ語のPhra Phom(Phrom)との記載もあり。
残念ながら内部は撮影禁止でした。
主祀は福建省福州周辺で特に信仰が篤い法主公(法主真君、張公聖君)ですが、かなり狭い廟内に数多くの神仙が祀られていました。
大史廟(鳳山廟)、TOASEBIO、インドネシア語ではVihara Dharma Jaya Toasebio。
大史廟(鳳山廟)の主祀は清元真君という神様。初めて聞いた名前です。
こちらもグーグル検索&翻訳を駆使して調べた結果、王孫大使・謝府元帥とも呼ばれる謝玄という東晋時代の武将で清元真君は厦門地区の呼び名らしい。
大史廟=大使廟のようですね。
下に祀られているのは黒虎将軍(虎爺)かと思いきや、天狗将軍。日本の天狗ではなく、犬です。
他には太歳星君、玄天上帝、保生大帝、華陀先師、聖母娘娘(媽祖)、観音佛母(観音菩薩)、福徳正神、花公花母、財帛星君、関聖帝君・・・が祀られています。
本日最後の目的地、開漳聖王廟へ向かいます。運河?ドブ川?沿いにあります。
廟までの途中にまた小さな祠を発見。
南無阿弥陀仏。
祠の中には土地伯公婆の神位。土地公・大伯公・福徳正神夫婦です。
向かって右側には、地蔵王、大二爺伯、拿督公の三柱をまとめた一つの神位。
地蔵王(地蔵菩薩)は地獄の裁判官「十王」の閻魔様と同一視されています。
大二爺伯は七爺八爺、謝将軍・范将軍、白無常・黒無常とも呼ばれ、台湾でよく目にしますね。
拿督はマレー・インドネシア語の祖父・おじいさんを意味するDATUK。ここには拿督公の神像はありませんが、イスラム系の土地の神様です。アッラーのみを神とする一神教のはずなのにいいの?と思いますが。
この後に行ったクアラルンプールでも拿督公の神像に遭遇しましたが、完全にムスリムの姿をしたおじいさんでした。プーケットなどタイ南部のポータート○○という神様も拿督公と同じだと思います。
開漳聖王廟に到着しました。陳氏祖廟とも書いてあり、陳氏一族の先祖を祀る宗祠兼集会場なのかな。
本殿中央に祀られている開漳聖王。
開漳聖王は本名・陳元光(元光公)と言い、唐時代の武将で河南省出身ですが、福建省漳州を平定したことで、陳姓の人のみならず、漳州人にも信仰されています。
クアラルンプールの陳氏書院にも祀られていました。
裏の後殿も見学してみましょう。
釈迦牟尼(釈迦如来)、アヴァロキティシュヴァラ=観音菩薩、クシティガルバ=地蔵菩薩。
福徳正神、関帝聖君(関羽)、太歳星君など。
道教の最高神格とされる三清。元始天尊、霊宝天尊、道徳天尊(太上老君、老子)。
薬王宮には華佗神醫という後漢時代の名医が祀られています。お屠蘇の考案者と言われています。
こちらの文昌宮は文昌帝君、侍従の天聾及び地啞。文昌帝君は学問の神様です。文廟でも中国北部では孔子、南部では文昌帝君が祀られているのが一般的。
後殿の前にある池には大きなスッポン。
以上でジャカルタ・チャイナタウンの中国寺院巡りは終了です。
狭いエリアにまとまってあるので、効率良く見学出来ましたし、道端の小さな祠もいくつか発見出来て楽しかったです。