讃岐うどんの朝食でお腹も落ち着いたところで、坂出駅から徒歩5分程度のところにある香風園へやって来ました。
香風園は鎌田醤油の4代目という実業家であり、貴族院議員でもあった鎌田勝太郎の別邸に造られた明治末期の日本庭園。現在は坂出市の所有となり、公園として整備され、市民の憩いの場となっています。入場は無料です。
きれいに整備されていて、気持ち良いです。
いわゆる池泉回遊式の日本庭園。
茅葺き屋根・平屋建ての茶室「時雨亭(じうてい)」。
瓦葺き・2階建ての翠松閣。
休憩所もあります。
東側は芝生広場になっています。向かって右手に見える白い建物が鎌田醤油蔵元本店。
かつては飯野山(讃岐富士)を借景としていたのだと思いますが、現在は線路の高架と中層のビルでほとんど見えないです(画像はJR坂出駅のホームから)。
香風園は広大な庭園というほどではなく、ざっと回っても10~15分の所要時間でした。
続いて香風園に隣接する鎌田共済会・郷土博物館へ。こちらは現在も鎌田グループの鎌田共済会が所有・運営しています。
大正11年(1922年)に図書館として建てられました。100年以上前の建物ですが、3階建ての鉄筋コンクリート造です。
入場無料です。
鎌田勝太郎の銅像。
第一展示室は、内間銅鐸のみ。
大正15年(1926年)に綾川町で発見さた約2,000年前の銅鐸で、昭和5年(1930年)に当館へ寄贈されました。その後行方不明となっていたのですが、東京国立博物館で保管されていることが判明し、今年3月約90年ぶりに返還されたもの。
第2展示室は、久米通賢に関する展示です。久米通賢(くめみちかた)は現在の香川県東かがわ市生まれ、江戸時代に測量、天文学、鉄砲の製作、塩田開発などで活躍した発明家で、通称「讃岐のエジソン」。
伊能忠敬よりも先に日本初の実測地図を作った人物?
ここに来るまで久米通賢の名前も知らず、さして興味もなかったので、軽く流して見学したのですが、久米通賢関連資料計1,061点が国の重要文化財に指定されている貴重なものと後で知りました。
第3展示室は「近代香川の博覧会」というテーマでした。
鎌田淡翁(鎌田勝太郎)氏の胸像。
この郷土博物館の他に、鎌田共済会では「小沢剛 讃岐醤油画資料館」と「四谷シモン人形館 淡翁荘」の2館も運営しています(この2館は有料)。どちらも鎌田醤油本社の北側にあり、鎌田醤油が残した歴史的建築物を利用したものです。
鎌田醤油蔵元本店、モダンな建物ですね。
本社事務所と工場。
旧鎌田醤油大門は明治初期に建設され、昭和30年(1955年)頃に移築されました。この先に「小沢剛 讃岐醤油画資料館」と「四谷シモン人形館 淡翁荘」があります。
旧鎌田醤油本店を利用した「小沢剛 讃岐醤油画資料館」。
鎌田勝太郎氏が昭和11年(1936年)に迎賓館として建設した鉄筋コンクリート壁構造2階建の洋館が「淡翁荘(淡翁は勝太郎氏の号)」で、現在は四谷シモン人形館として利用されています。
これらの建物は北側のアーケード商店街(本街道)に面しています。
旧鎌田醤油本店(小沢剛 讃岐醤油画資料館)は江戸末期の町家建築。いかにも豪商という感じですね。
昭和12年(1937年)に建てられた淡翁荘黒門。
旧鎌田醤油本店、淡翁荘主屋。淡翁荘黒門、旧鎌田醤油大門は登録有形文化財。
時間があれば、讃岐醤油画資料館は見学したかったです。