南あわじ市福良に来たのは、淡路人形座で人形浄瑠璃を見学するのが目的でした。人形浄瑠璃とは太夫(語り部)、人形&人形遣い、三味線が一体となった伝統芸能です。
淡路人形浄瑠璃は、室町時代末に西宮神社に仕えていた百太夫という傀儡師(人形遣い)が、三原郡三條村(南あわじ市市三條)に来て、地元の人に人形操りの技を伝えたのが起源とされています。最盛期の享保・元文期(1716~41年)には淡路島に40座以上の人形座がありました。発祥の地である市三條地区には南あわじ市淡路人形浄瑠璃資料館があります。
現在でも人形浄瑠璃を常時公演しているのは、淡路人形座と大阪の国立文楽劇場(文楽座)の2ヶ所だけのようです。
淡路人形座は道の駅・福良の前にあります(淡路人形座も道の駅の一部?)。
入場料は大人1,800円、私はじゃらんで予約していました(公式サイトのWEB予約もじゃらんに転送されます)。
1日4公演で、私が訪れた日は「戎舞(バックステージツアー有)」と「傾城阿波の鳴門」が各2回、私は「戎舞」の回を予約していました。
座員の紹介。
この回(土曜日の15時~)の観客は17人でしたが、座席数は179席+補助席で団体ツアー客にも対応出来るようになっています。
後方には人形が展示されていました。
なんかベトナムの水上人形劇を思い出すなあ。
最初に注意事項(上演時は撮影禁止など)を含めたガイダンスがあり、スリッパに履き替えてバックステージツアーとなります。
舞台は一段低くなった「船底」という構造。
船底から舞台前の手すり(高さ85cm)より上に人形を持ち上げなければならない為、人形遣いは下駄を履きます。様々な高さの下駄がありますが、バックステージツアーでは試着?が可能です。
舞台背景を次々に変えていく「大道具返し」。平面ですが、目の錯覚で奥行きがある3Dのように見えます。
物語の語り部である「太夫」。床本(脚本みたいなもの)は独特の浄瑠璃文字で書かれているという説明。
舞台のセットなどを自由に見学します。
バックステージツアーの後、人形の構造や動かし方、物語のあらすじなどの前説となります。
人形のかしら(頭)の説明。
主役級の人形は3人で操る3人遣い。1人目がかしら(頭)と右手、2人目が両足、3人目が左手の担当。
いよいよ実際の舞台がスタートします。演目は戎舞(えびすまい)ですが、公演時間は10分程度しかないので、ストーリーもあってないような内容でした。また通常は三味線の演奏をバックに話が進むのですが、この戎舞は太鼓でした。
受付時に渡された「おひねり紙」。決して強制ではありません。
裏にはおひねりの包み方が書かれています。
芝居が終わった後、4~5人の方がおひねりを投げ入れていました。最後に希望者による人形との写真撮影となります。
公演全体では50分程度でしたが、各内訳はざっくり下記の通り。
注意事項やガイダンス 10分
バックステージツアー 17分
かしら・人形の動かし方・ストーリー解説 9分
実際の芝居 10分
大道具返し実演 4分
写真撮影
バックステージツアーが付いている分、実際の芝居がかなり短かったので、物足りない気もしました。バックステージツアーを取るか、じっくり芝居を見るか、なかなか難しい選択です。