行きのハノイ→ハイフォンはHai Au社の高速バスを利用したので、帰りのハイフォン→ハノイは鉄道(ベトナム国鉄、ベトナム鉄道公社)にしてみました。
チケットはベトナム国鉄の公式HPで事前予約出来るのですが、現状支払いにはベトナム発行のクレジットカードしか使えないので外国人にはハードルが高いです。代行で予約してくれるサイトもありますが、料金は公式サイトの2倍程度します。と言っても元の運賃が数百円レベルなので、2倍でも大したことはありませんが。
まあ満席なんてないだろうという特に根拠のない考えもあり、現地に行ってからチケットを購入することにしました。最悪取れなくてもバスにすればいいいだけですし。
ハイフォンに到着した日(乗車日の2日前)の夜20:00頃にハイフォン駅へ行ったら、既に営業終了で駅自体が閉まっていました。
翌朝(乗車日の前日)朝7時前に行ったら、駅は開いているのですが、窓口にスタッフがいません。駅の構内でおばさん一人が爆音を鳴らしながら狂ったように踊っていました(よく朝に公園でおばさん集団が踊っているダンス)。
駅前にいた職員?らしき制服を着た人に聞くと、7:30から営業開始らしい。結局8時過ぎに出直して無事チケットを購入出来ました。
購入したのはLP6というハイフォン9:10発の列車。運賃は108Kドン(661円)でした。ウェブサイトのオンライン予約画面で色々検索すると、日によって料金が違うので、需要と供給で価格が変動するダイナミックプライシングを採用している?ハイフォン・ハノイ間は約100km、東京駅から湯河原駅や熱海駅までとほぼ同じ距離です。
乗車して分かったのですが、私の座席番号32は車両中央部のテーブルがある向かい合わせの席でした。ネットで見ていた料金と5Kドン違うなあと思っていたら、この向かい合わせの席(25~32番が該当します)は5Kドン高いのです。希望もしていないのに、勝手に指定されました。
また同じソフトシートなのですが、1号車だけ「ハイクオリティカー」と記載されており、他の車両より料金が少し高かったので(私が購入した際は20Kドンの差額でしたが、これも多少変動するようです)、敢えて1号車にしてみました。
ハイフォン・ハノイ区間の時刻表。乗車日に実際にどの列車が運行するかはベトナム国鉄のウェブサイトで確認した方が良いと思います。列車番号はLP〇とHP〇の2種類あり、元々LPの方はロンビエン駅発着だったはずですが、現在はハノイ駅発着になっているんですね。
当日は余裕をもって出発時刻30分前の8:40にハイフォン駅に着きました。
8:45には改札開始となり列車に乗り込みます。ホームは地面と同じ高さなので、列車に乗り込むにはステップを3段ほど登らなければならず、バリアフリーとは程遠いです。
1号車は先頭ではなく後方でした。1号車の更に後方にバイク用の車両?板を渡してバイクを積み込んでいます。
私の座席は窓側でしたが、おばさんが勝手に座っているので退いてもらいます。席は移ったものの、ボストンバッグは私の前のテーブルに置いたまま。邪魔なのでおばさんの前へ動かしたら、頭上のスペースに上げていました。
車両中央にある向かい合わせの席だったのですが、幸い向かいの席に乗客は来ませんでした。この1号車をざっと見る限りガラガラで3割程度の埋まり具合でした。
シートにはなかなか立派なフットレストが付いています。ただ車両は全体的に多少くたびれている・薄汚れている感じは否めず、これがハイクオリティカー?と思いました。約100kmの区間で運賃661円ですからね、過大な期待をしてはいけません。
窓側には電源コンセントも付いていました(生きているか確認していませんが)。
モニターも付いていますが、何も放映されていませんでした。
列車は定刻9:10にハイフォン駅を出発。
しばらくハイフォン市街を走るので、かなりのノロノロ運転。次のトゥオンリー(Thượng Lý)駅のそばにショッピングモール「ビンコムプラザ インペリア ハイフォン」があり、高層の建物はシェラトン ハイフォン。
トゥオンリー駅を過ぎると一気に田園風景に変わります。
ドリンクの車内販売らしき売り子が来て、水を1本くれました。でも貰わない人が多かったような。
ハイフォン市からハイズオン省に入り、フータイ(Phú Thái)駅。
ハイフォンから約1時間でハイズオン(Hải Dương)駅。
代わり映えのしない田園風景が続きます。
また車内販売の売り子さんがやってきました。5年ほど前にフエからダナンまで乗った際には無料の食事も配られたのですが、今回は水だけでした。
カムザン(Cẩm Giàng)駅で下り列車との待ち合わせ。
ハノイに入り、町らしくなってきました。
ザーラム(Gia Lâm)駅。ベトナム国鉄の線路は1000mmのメーターゲージがほとんどですが、ザーラム駅から中国と国境を接するランソン省ドンダン駅までは1435mmの標準軌にも対応する三線軌条が敷かれ、中国南寧からの国際列車もあります。
ザーラム駅近くにはザーラムバスターミナルがあるせいか、ここで降りる乗客も多かったです。終点のハノイ駅までまだ2駅ありますが、スタッフが早々にごみの回収に回っていました。
ザーラム駅を出て、次のロンビエン駅の手前でこの区間一、二の見所、紅河に架かるロンビエン橋を渡ります。フランス統治下の1902年に完成した120年超の歴史がある橋で、長さは1,700メートル。
鉄道橋の両脇にはバイク専用の橋も付属しています。車は通行禁止ですが、歩道もあるので歩いて渡ることも可能。私も一度歩いたことがあります。
ロンビエン駅を出てハノイ駅に近づくと、トレインストリートと呼ばれるもう一つの見所に差し掛かります。線路すれすれに民家が迫っており、一部カフェやレストランなども営業しています。
後からこの交差点に来てみましたが、進入禁止の柵をして係員が見張っているのですが、奥の方を見たら線路脇を歩いている人が結構いてザル状態。
ハノイ駅に到着しました。
降車時に見た洗面所。
跨線橋を渡ります。
駅の外に出るとタクシーやバイクタクシーの客引きが群がって来ますが、目の前にあるホテルを指差したら、あっさり諦めていました。
区間を通してガタガタ揺れるということもなく、保線管理はタイ国鉄より良いという印象を受けました。
鉄道の所要時間はハイフォン駅からハノイ駅まで約2時間40分(ロンビエン駅だと2時間半)に対し、高速バスは1時間40分程度ですが、バスターミナルは郊外にあるので、そこまでの移動時間を考えると大差ないかなと思います。但し鉄道は本数が少なく、1日数本しかないので、使い勝手はあまり良くないです。