山の辺の道から少し外れますが、大した距離ではないので、長岳寺に寄ってみます。
釜の口山長岳寺は天長元年(824年)に淳和天皇の勅願により空海(弘法大師)が大和神社の神宮寺として創建した高野山真言宗の仏教寺院。私は初めて名前を知りましたが、最盛時には48もの塔頭が建ち並んでいた古刹で、国指定重要文化財がいくつもあるかなり立派な寺院のようです。
また4月下旬から5月上旬に見頃を迎えるツツジをはじめ花や紅葉の名所としても有名らしい。
大門を抜けた先に受付があり、拝観料は大人400円。受付の方から丁寧に境内の案内をして頂けるのですが、相手の反応とか関係なしに決まった内容を黙々と話されるので、自動音声案内を聞かされているようでした。
受付のすぐ先に旧地蔵院があります。かつて48あった塔頭の中で唯一残っているもの。
室町時代の書院造りの様式を残す旧地蔵院は、寛永7年(1630年)の建立で国指定重要文化財です。現在は庫裏として使われています。
美しい庭園もあります。
旧地蔵院の本堂である延命殿(持仏堂)。寛永8年(1631年)建立でこちらも国指定重要文化財。
本尊は普賢延命菩薩。
普賢菩薩の乗り物と言えば白象です。
先に進みます。
国指定重要文化財の鐘楼門。鐘楼門としては日本最古で、平安時代の創建時から唯一残る建物です。1200年前からあるのか・・・
本堂内部は撮影不可の為、画像はありませんが、本尊である阿弥陀三尊像(阿弥陀如来・観世音菩薩・勢至菩薩)と多聞天・増長天立像が安置されています。5体とも国指定重要文化財です。薄暗くしーんと静まりかえった堂内で、誰にも邪魔されることなく仏像を眺めていられるのは贅沢な時間でした。
また毎年10月23日~11月30日までの期間は有名な大地獄絵(狩野山楽筆)が本堂で公開されますが、平時はレプリカが展示されています。
更に石段を上がると拝堂があります。
拝堂の裏手にあるのが、弘法大師(空海)を祀った大師堂。上の拝堂を通して参拝することになります。
更にちょっとした山道のようなところを登って行きますと・・・
弥勒大石棺仏。古墳の石棺に使われていた石材に彫られた弥勒菩薩です。
また拝堂・大師堂の段まで降りてきまして、鎌倉時代の十三重石塔。
弘法大師像。
放生池越しの本堂。紅葉の季節はきれいだろうな。
2月末という花の季節でもなく、しかも平日ということで、私以外に参拝客はいませんでした。静寂の中、落ち着いた雰囲気で見学出来たのが良かったです。