陳氏書院 クアラルンプール・チャイナタウン

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クアラルンプール2日目、ホテルを移動するのですが、11時前にチェックアウトし、荷物を預けて観光に出掛けます。

まずはチャイナタウンの外れにある陳氏書院。陳氏書院とは、陳一族の祖先を祀る宗祠兼集会所。モノレールのマハラジャレラ駅のすぐ近くです。しかし、モノレールでチャイナタウンに行けるなんて考えたこともなかった。

KLにはもう2~30回は来ているので、メジャーなエリアの地図を改めてじっくり見ることなどなく、チャイナタウン=LRTのパサールスニ駅かマスジットジャメ駅という固定観念しかなかったのです。

陳氏書院は1897年に建設が始まった120年の歴史がある建物ですが、最近改修したばかりでとてもきれいです。

以前の画像を見ると、建物の壁面は黄緑色でしたが、あっさり全く違う色にしちゃんうんですね。まあその黄緑色も建設当初のオリジナルの色と同じかは分かりませんが。

1894年に完成した広州・西関の陳氏書院を真似て建設されたもので、正式には隆雪陳氏書院。隆はクアラルンプール(吉坡)、雪はセランゴール(蘭莪)州を意味します。

入口の前、梁の上、屋根の上にも獅子。

中国建築ではお約束の龍の装飾。屋根が反り返った曲線の美しい福建様式に対し、広東様式は直線的。

螭吻・鯱も見えます。

中国の神話・故事でしょうか。

中に入ってみましょう。正殿は、主祀(本尊)が舜帝なので舜帝殿。

中にはデカデカと「徳星堂」とも掲げられていますが、これは姓氏毎に持っている堂号(屋号みたいなもの)。

天公炉の耳は龍の装飾。

こちらは竜生九子の一つ、狻猊(さんげい)かな。火や煙を好むと言われ、香炉の装飾によく使われます。狻猊は獅子と同一視されることもあります。

陳氏一族まとめての神位(位牌みたいなもの)。

獅子の後ろに3柱の神様が祀られています。

中央が陳(現在の河南省淮陽県)の陳姓の源と言われる「舜帝」。中国古代の神話に出て来る君主で、姓は姚、名が重華なので重華公。

向かって右が颍川(現在の河南省許昌市)の陳姓の始祖とされる陳實公。

向かって左が開漳聖王こと陳元光(元光公)。唐時代の武将で河南省出身ですが、福建省漳州を平定したことで、陳姓の人のみならず、漳州人にも信仰されています。

左右には先祖個々の神位(位牌)がたくさん祀られています。

中国では、蝙蝠の蝠が「福」と発音が同じなので、縁起の良い生き物とされています。下を向いているのは、「倒福(逆さまの福)」と同様に、福が到る(来る)という意味があるのでしょう。

正殿を背に、入口方向を望む。

螭吻・鯱。

これは鴟尾と言った方が良いのかな。

桃も飾られています。中国で桃は長寿の意味があり、めでたいものの代表の一つですね。悪魔除けの意味もあるそうで。

あれっ、柱に何か付いていますよ。

下向きの魚は、火伏せ(火事防止)の意味があるのでしょうか。口が開いていないので、落水口としての機能はなく象徴的な意味なのでしょうけど。

門神は中国で最もポピュラーな秦叔宝と尉遅敬徳。

握り輪を咥えているのは竜生九子のひとつ、椒図(しょうず)。

以前こちらの面は黄色・クリーム色だったのに・・・

改修が終わったばかりできれいですが、それゆえに歴史や趣などが余り感じられませんでした。

陳氏書院の場所は、チャイナタウンの南の端、モノレールのマハラジャレラ駅から徒歩3分。

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