バンタイ教会から川を渡ってまたビガン市街に戻って来ました。
州庁舎の脇の通りを入って行ったところにあったのが、国立博物館にもなっているパドレ ブルゴス ハウスです。
パドレとはスペイン語で父という意味、英語のファザーに該当します。ここでは神父(司祭)を意味します。つまりパドレ ブルゴス ハウスは、ブルゴス神父の家。ブルゴス神父は本名をホセ・ブルゴスと言い、ここビガン生まれ。
19世紀後半、フィリピン人の間にスペイン支配に対する不満が高まり、ナショナリズムが高揚する中、スペイン為政者により濡れ衣を着せられ、処刑された3人の神父「ゴンブルザ」の一人。
その後独立革命を経て、フィリピンは1898年に独立を果たすわけですが、独立への流れを作ったホセ ブルゴスも国民的英雄とされています。1898年に独立を宣言したものの、統治者がスペインからアメリカに代わっただけで、実際に独立を果たしたのは第二次世界大戦後の1946年ですが。
フィリピンにはその国民的英雄から取った、ブルゴスと付く地名がたくさんあるようです。そういえばメトロマニラ・マカティにもゴーゴーバーが並んでいるP.ブルゴス通りってありますね。
中に入りますと、1階は「ABEL(アベル)」と呼ばれるイロコス地方の伝統的織物に関する展示でした。
織物製造に使われる道具。機織り機も展示されています。
機織り機の構造図。織物好きの方には興味津々な内容なのかもしれませんね。ビデオによる解説もあり。
その伝統的な織物「ABEL」も展示されています。色鮮やかな織物が多いですが、合成染料です。素材はコットン。
2階に上がってみます。
こちらは家具や生活用品などが残され、ホセ・ブルゴスの当時の生活の様子が分かるようになっています。
かなり裕福な家庭だったのでしょう。ホセ・ブルゴス神父の父はスペイン人、母もスペイン系の血が入っています。父は役人?
これは・・・トイレですね。
バルコニーのようなところに出たので、下に降ります。
唐突にギロチン(レプリカ)が置いてあり、この時は全く意味が分からなかったのですが・・・
そもそも見学当時は、パドレ・ブルゴスがどういった人物なのかも知識がなかったのですが、スペイン為政者にギロチンで処刑されたことを後で知ります。
ホセ・ブルゴス神父の胸像。
外に出ると、博物館の前にはカレッサ(馬車)がたくさん停まっています。
時間も余っているし、せっかくなので乗ってみようかと聞いてみたのですが、客待ちしているから乗せられない、乗りたいならビガン大聖堂の横へ行けと言われました。よく分かりませんが、せっかく乗ろうと思ったのに・・・
ここはカレッサによる観光ルートに組み込まれており、彼らは見学中の客を待っていたということが、後で私も乗ってみて分かりました。
パドレ ブルゴス ハウスは国立博物館となっているものの、正直言って展示品は充実しているとは言い難いです。ホセ・ブルゴスという国民的英雄の生家という点に価値があるのでしょう。